「鯛」についてのご紹介

春を迎える喜びと共にいただく「桜鯛」の献立
日差しが温み、桜咲く春。
この時期に水揚げされる鯛は「桜鯛」と呼ばれ、京料理でも特に珍重される食材です。
産卵を前に栄養を蓄えたその身はほどよく締まり、やわらかな脂を含みます。季節の鯛でもやはり天然物は別格。養殖鯛の柔和な顔つきと比べて、流れの早い潮を泳ぎ、天然のエビカニを殻ごと食べる天然鯛はやや精悍で鋭い顔つき。中でも1.5kgほどの中ぶりなサイズのメスはその味わいも別格です。ひときわ重用され、季節を映す天然の桜鯛の美味しさを引き出すために、京都の料理人たちは毎年千々に心を砕くのです。
京都の料理人は鯛の魅力をどう引き出す?
桜鯛だけでなく、全ての鯛は京料理において料理人から「捨てるところなし」と称される優れた食材。料理人たちは技法を駆使し、皮や内臓、骨に至るまで余すところなくその魅力を引き出していきます。
身の素直で繊細な食味を味わうのであれば、シンプルなお造りに。
柔らかく旨みを蓄えた皮を堪能するのであれば、皮目にさっと熱湯をあてて氷で締め、身と皮のあいだにある旨みを感じさせる松皮造りに。
出汁を引きふっくらと炊き上げた真子(卵巣)や、軽く炙って濃厚な旨みを際立たせ、ポン酢でさっぱりといただく白子も鯛の醍醐味です。
他にも骨は潮汁に、内臓は丁寧に処理をして豆腐と炊き合わせにと、鯛は調理次第でそれぞれに異な表情を見せてくれます。

特に旬を迎えた桜鯛と向き合う際、料理人が大切にするのが「出合いもの」という考え。
これは同じ季節に旬を迎える食材同士を組み合わせることで、この出合いによって季節の食材は幾重にも深みを増していくのです。
旬の食材の相性を見極め、素材が互いに引き立て合うために料理人が心がけるのは、「食材に手を加えすぎない」こと。素材そのものを主役に、本来の味わいを際立たせるために、無駄を削ぎ落とした最小限の手を加える。京料理に貫かれる「引き算の美学」が発揮される瞬間です。
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桜鯛の繊細な味わいに合わせる、春の出合いものの定番はこちらも芽吹いたばかりの淡い味わいが魅力の京筍や花菜。
これらに加えて美濃吉では、桜の葉や花を使うことも。
桜鯛の身を道明寺(餅米粉)に包んでふんわりと蒸し上げ、その上に春の雪のような鯛の身を一片載せ、そこに桜の葉や花の塩漬けを添えて、あっさりとした銀餡を掛けた「天然鯛の桜蒸し」は、器の中に花の香りと春の景色が立ち上がる自慢の一品です。
京料理の技が活きる桜鯛で、春のお祝いを楽しんでみませんか?

鯛は、日本人にとって特別な意味を持つ魚です。
お食い初めにはじまり、節句や祝いや婚礼の膳まで、日本人の人生の節目を飾ってきた鯛。
鯛が祝いの席に利用されるのは、古くから魔除け、邪除けの色とされる赤色の肌であることや、長い寿命をもつこと、「めでたい」に通じる語呂の良い魚であることなどが挙げられます。
美濃吉では、今日でもこの文化や祈りを背負った鯛に感謝を込めつつ、今の時代に沿った新しいお祝いの献立を考案し、お届けしています。
特に5月に迎える母の日の席を彩る祝いの献立としてご用意しておりますのは、「真鯛と金目鯛の紅白しゃぶしゃぶ」。
真鯛の身の白と金目鯛の華やかな赤い身が、皿の上、鍋の中で紅白の花弁のように咲く季節の風情を感じる特別なお料理です。
旬の鯛をお母様の健康を祝いながらご一緒に、美濃吉自慢の出汁でしゃぶしゃぶとお好みの加減に火を通してお楽しみください。




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