京洛四季暦

「豆腐」についてのご紹介

豆腐には一般的な木綿豆腐・絹ごし豆腐などの他、豆腐を油で揚げた油揚げ・がんもどき、表面を焼いた焼き豆腐などの加工品や豆腐を凍らせて乾燥させた凍り豆腐など、
さまざまな料理があります。バラエティに富んだ献立が作れるのが豆腐の魅力の一つです。

豆腐の起源

豆腐の起源は中国大陸といわれています。
平安末期(12世紀後半)日本に伝わり、日本で初めて文献に現れたのは約840年前の寿永2年(1182年)、
奈良春日大社の供物帳に「唐符(とうふ)」と記されています。
その後、仏教の普及と共に精進料理の材料として独自の発展を遂げ
日本の誇りえる食材となっていきました。
1350年には味噌をつけて焼く「田楽」など、宮中の記録にも豆腐が登場しています。
豆腐料理の名前が料理書に最初にでてくるのが、江戸時代初期に書かれたとされる「大草家料理書」でした。
この頃は豆腐を口にできたのは上級武士や裕福な町人だけだったそうです。
約240年前の天明2年(1782年)には「白和え」など豆腐を使った料理100品の作り方を解説した
「豆腐百珍全録」が発刊され当時のベストセラーとなったそうです。
精進料理として口にされていた豆腐はその後、庶民に広まり200種類以上の料理が生まれたそうです。

京都の豆腐 なめらかな京豆腐

京都盆地に蓄積された地下水は鉄分が少なく柔らかくてまろやかな味わいであり
この水があったからこそ「京豆腐」は誕生したといわれています。
京豆腐と呼ばれるものは京都で生産され、国産大豆100%、豆乳濃度13brx以上のもので、それにかなったものが京ブランドに認定されています。大豆の風味が感じられ一般的な木綿豆腐ほど硬くなく、つるりとしたのど越しで口当たりが良いのが特徴です。京都の昔ながらのお豆腐屋さんでは「白豆腐」と呼ばれています。

豆腐を使ったお料理のご紹介

・豆腐の三色田楽
京都では江戸時代から親しまれる田楽豆腐。
短冊状にカットした木綿豆腐を一度あぶって水分を飛ばし、木の芽味噌、白味噌、赤味噌を塗って
香ばしく焼き目をつけました。
豆腐と味噌との相性の良さをご賞味ください。

・アスパラの白和え
鮮やかな緑色が美しい初夏のアスパラガスを豆腐のほんのりした甘みをいかした白和えにしました。
みずみずしいアスパラガスのシャキシャキした食感を楽しみながらお召し上がりください。

その他の豆腐のご紹介

豆腐カステラ(秋田県) 元祖とーふスイーツ

秋田県県南地方に伝わる豆腐料理。
一度ゆでて裏ごしした豆腐に砂糖・卵白を加え、さらに片栗粉と塩を加えてよく練り、四角い鍋に入れて45分ほど弱火で両面を焼く。おやつやお茶請け、冠婚葬祭の口取りなどに供されます。
焼かずに蒸したものは「豆腐巻き」と呼ばれます。

つと豆腐(福島県) ワラがほのかに香る昔風伝統の豆腐

普通の豆腐を細長く切ってワラで包み、塩を加えた熱湯で20分ほど煮たものです。
日持ちがよく、ワラの風味がほのかに漂って美味であり、煮ると味がしみやすいので煮しめ料理によく使われます。「つと」とは「ワラなどで食品を包んだもの」のことをさします。

いぶり豆腐(岐阜県) 保存性の高いチーズ風豆腐   

木綿豆腐を一昼夜味噌漬けにした後、煙で充分にいぶした豆腐の燻製です。
平家の落人伝説が残る岐阜県郡上市(ぐじょうし)で700年以上前から作られていたもので、
日持ちがよく栄養価が高く食べるとチーズのような風味があります。
同様のいぶり豆腐は東北の岩手県・秋田県などでも見られます。

イギス豆腐(愛媛県) 行事に欠かせない海藻入り豆腐

愛媛県今治市を中心とした瀬戸内地方で古くから食べられていたもので、イギスと呼ばれる海藻の一種を大豆の粉と一緒に煮溶かして固めたものです。お正月やお盆・法事の時によく作られます。
固める際にニンジン・ゴボウ・むきエビ・きくらげなどを煮た具材を入れるものと、具材を入れないものがあります。

島豆腐(沖縄県) 大きくてずっしり。日本の豆腐の原型

水に浸した大豆を加熱する前につぶして豆乳を搾り取る「生しぼり」という製法で作られた豆腐です。
一丁約500gと大変大きく白山の堅豆腐と同様、日本の豆腐の原型と言われています。
昔は凝固剤の代わりに海水を加えていましたが、最近はほとんどがにがりを使っています。
型入れをせず、そのままザルにあげるフワフワな豆腐(おぼろ豆腐のようなもの)は「ゆし豆腐」と呼ばれます。

京料理美濃吉では豆腐料理の多くに「南禅寺豆腐屋 服部」の豆腐を使用しています。
服部さんの豆腐については下記ページにまとめておりますので合わせてご覧ください。

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