京洛四季暦

二四節気「夏至」

夏至(げし)とは

気温が30度を超えるような暑い日もちらほらと出始め、本格的な夏の気配が近づいてきました。
6月21日から7月6日頃までの時期を24節気での「夏至」といいます。
一年で最も昼が長く夜が短い頃です。梅雨の盛りでもあり陽射しはさほど強くありませんが日毎に夏の暑さが増してきます。日照時間はここから冬至に向かうにつれて少しずつ短くなっていきます。

夏越の祓

日々を過ごしている間についた、穢れや災難を祓い清めることを「大祓(おおはらえ)」といいます。
大祓は6月と12月の年2回行われますが、夏は「夏越の祓」といい、お正月から半年間の穢れや厄災を払う神事が執り行われます。各地の神社に参拝し、茅(かや)を丸く編んだ茅の輪をくぐり厄払いをして後の半年間を新たな気持ちで迎えます。

水無月菓子

参考:水無月胡麻豆腐

京都には「夏越の祓」の頃、「水無月」という菓子を食べ禊をする習慣がありました。
暑気払いを兼ね、氷に見立てた白い外郎(ういろう)の生地や餅を三角に切り、炊いた小豆を乗せた菓子を食します。前半年の禊をし新たな半年に備え邪気払いを行います。

季節の食材

メロン

アフリカ原産といわれるウリ科の植物です。古代ギリシャ、エジプトなどで改良され中国を経て明治時代に日本へ伝わったといわれています。
弥生時代より日本で栽培されてきた真桑瓜とヨーロッパのイボメロン系種と掛け合わせて出来たのが「プリンスメロン」です。高価であったメロンが大衆に広まったのは1962年、改良を重ね安定した甘みのあるメロンは急速に発展していきました。

紫蘇(シソ)

梅干しの色づけやジュースに用いられる紫色の赤紫蘇と、その変種で香味野菜としての青紫蘇があります。ビタミン・ミネラルが豊富で整腸作用や抗菌・防腐効果もあります。「漢方」では「蘇葉」といい健胃・咳・発汗などに効果があるといわれます。

太刀魚

銀白色に光って刀を思わせる太刀魚。全長1.5メートルにもなり白身で柔らかい肉質は美味です。
塩焼きやバター焼き、野菜を巻いて照り焼きなどにしても美味しいです。
また、太刀魚の体を覆う銀色の物質は「グアニン」といい模造真珠の塗料に利用されています。

鯵(アジ)

味がいいから「あじ」と言われたとの説もあります。かつて魚といえば「鯵」を指す地方が多かったようです。真鯵をはじめ、干物には室鯵、高級魚の縞鯵など種類も豊富です。

向夏の京都の行事をご紹介します

祇園祭

日本三大祭りの一つ、「祇園祭」は京都八坂神社の祭礼で平安時代(869年)に疫病が流行した際に、その退散を願い日本の国の数と同じ66本の鉾を立て御霊会を行ったのが起源とされます。

鱧(ハモ)

参考:鱧の落とし

「祇園祭は鱧祭り」。鱧は梅雨の雨を飲み育ち美味しさを増すことから夏の京都には欠かせない魚です。その昔、蒸し暑い京都に生きたまま届けられる魚は生命力の強い「鱧」くらいでした。食文化の進んだ京都ならではの調理法で夏を代表する食材となりました。

この時期おすすめのお料理

瀬戸内鱧の南蛮漬け

瀬戸内海で獲れた鱧を天ぷらにし、唐辛子や酢・醤油・味醂などを合わせた南蛮酢に野菜を加え漬けた
料理です。南蛮漬けにすることで鱧の臭みを消し、さっぱりとした味わいに仕上げます。
ふっくらとした鱧と彩り豊かな夏野菜の南蛮漬けは食欲が減退する暑い季節にぴったりの一品です。

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