京洛四季暦

24節気「冬至」

冬至とは

師走も20日を過ぎ、年末年始の準備になにかと忙しい時期となってまいりました。
12月22日~1月5日頃までの時期を24節気での「冬至(とうじ)」といいます。
一年で一番昼が短く夜が長い頃であり、この日を境に再び陽が伸び始めます。
古代では冬至が一年の始まりとされていました。

室礼

寒さ厳しいこの季節、南瓜や小豆など栄養価の高い食品を摂ることは健康維持に有効です。
冬至の日には「一陽来復」の御札を深夜十二時にその年の恵方に向け貼る習慣が残っています。
季節感を楽しみつつ南瓜や小豆等の縁起物をお盆にのせてお祀りし、召し上がって頂きたいものです。

南瓜

15世紀ころ南方から伝来したと言われている「南瓜」
冬至には「南瓜」を入れた小豆粥をいただく風習があります。鮮やかな色を持つ野菜には陽の気が詰まっていると考えられており、冬場は南瓜を食べることで栄養を補っていたようです。その為、太陽の力が最も弱まるこの日に「南瓜」を食べることで中風にならず、風邪をひかないと言い伝えられています。

柚子

古代、一年の始まりであった「冬至」に柚子の香りや薬効で身体を清める禊の湯治が行われました。
初夏に花が咲き秋に黄色い実がなる柚子は焼き魚や冬の鍋物、また調味料としても欠かせません。

小豆

小豆の新豆は秋が旬ですが、保存がきくため一年中出回っています。
大粒の大納言、一般的な中納言、粒が白い白小豆の三種があり用途により使い分けられます。
縁起物の赤飯や小豆粥・おはぎ・牡丹餅、寒い日にお汁粉・ぜんざいなど様々な料理になります。
栄養面でも優れており、古代より小豆の赤は魔よけになると信じられていました。

冬至七草

参考:七福茶巾

冬至の日にかぼちゃを食べるのは有名ですが冬至にも七草があります。
なんきん・れんこん・にんじん・ぎんなん・きんかん・かんてん・うんどん(うどん)と、「ん」が二つ付く食材で冬至の日に食べると、風邪をひかず運がつき出世するといわれています。「ん」のつく食材は他にもあります。

冬至のお料理

南瓜のいとこ煮

冬至に南瓜をいただく、行事食としても親しまれるいとこ煮。
南瓜と小豆の煮物で、野菜は神仏に供える供物で親しい「いとこ」関係にあるという説があります。

おせち料理

主に「正月三が日」に食べる料理をいいますが、もともと「せち」とは晴れの日を表し「節」は一本の
竹の節の様な物であることから、冠婚葬祭・年中行事など節目ごとに神に食物を供えていました。
そのため、この「節」の日に用意する料理を「おせち料理」と呼ぶようになりました。
家族がこの一年を幸せに暮らせますようにとの願いが込められています。

年越しそば

大晦日の夜は縁起を担ぎ「そば」を食べます。
「細く長く生きられますように」との説が一般的な由来です。
京都では大きな身欠き鰊(にしん)の甘露煮がのった「にしんそば」が知られています。
北海道の鰊が京都に流通したのは江戸時代初期の北海道の松前藩と近江商人の商いによるものと言われています。

お雑煮

お雑煮は江戸時代の武家が儀礼的に食したものが広まったのが始まりだといわれています。当時の武家の「雑煮」は餅菜と呼ばれる小松菜に似た菜のみを具にし餅と一緒に食べたようでした。「名(菜)を持ち(餅)あげる」という縁起と言われます。「お雑煮」は地方や家庭によって様々な特色も楽しめます。

正月

参考:初春弁当

旧暦では立春に一番近い新月の日がその年の元旦となり、新暦の元旦より約一か月ほど遅れてきます。
そのため旧暦の元旦は梅の花が咲くころとなり華やかな明るさを感じます。
おめでたさの象徴として「松竹梅」がありますが、松や竹の緑は生命力があり長寿・安泰を表し、
今年も「年神様」に迷わず来ていただくために目印として門松が立てられます。

年の瀬の京都の行事をご紹介します

をけら詣り

大晦日の夜に京都市東山区の八坂神社に参拝し、をけら火(オケラはキク科の多年草)を授かります。
この火が消えない様にくるくると回しながら持ち帰り、正月の雑煮を炊くと一年を無事に過ごせるといわれています。

この時期おすすめの料理

海老芋ぜんざい

京野菜である海老芋を使用した、美濃吉ならではの甘味です。
大納言小豆と海老芋、それぞれの素材を丁寧に炊き上げ、上品な味に仕上げています。
寒い日に召し上がっていただきたい一品です。

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