京洛四季暦

二四節気「大暑」

大暑(たいしょ)とは

7月も後半に入ると猛暑日も多くなり、まさに真夏といった感じですね。
各地でのお祭りや花火大会も多く開催される時期です。
7月23日から8月7日頃までの時期を24節気での「大暑」といいます。
夏の暑さが最も厳しく感じられる頃です。梅雨も明け、強烈な陽射しが照りつける日々が続きます。
昔は打ち水で地表の温度を下げたり、日よけの簾をかけ風鈴の音色で涼感を呼ぶなどの工夫をしました。また暑気払いとして栄養価が高く精のつく鰻を食べる「土用の丑の日」もこの時期にあります。

土用の丑の日(鰻)

参考:うなぎ料理イメージ

鰻にはビタミンB1やDHAなどの栄養素が豊富に含まれており、疲労回復や体力増強に効果があるとされています。「土用の丑の日」は夏の土用の中で最も暑い日とされており、鰻を食することでこの土用の日の暑さを乗り切れば、残りの夏も元気に過ごせるという意味もあります。

隅田川花火大会

享保18年(1733)、八代将軍吉宗が全国的な凶作と江戸市中に蔓延した疫病で亡くなった人々の供養として水神祭を催しました。その際、両国付近の水茶屋が慰霊のために幕府に献上した花火を打ち上げたのが隅田川花火大会の起源です。その後、両国の川開きの日に花火を打ち上げるようになりました。
今年は7月29日に4年ぶりに開催されます。

季節の食材

トウモロコシ

旬の時期は主に6月から9月頃とされています。トウモロコシは収穫後すぐに甘みが減ってしまうので新鮮なものを選ぶことが大切です。トウモロコシの甘みや香りを楽しむには、茹でるか焼くのがお勧めです。ビタミンB1や食物繊維などの栄養素が豊富で、夏バテ予防や便秘改善にも効果的です。

素麺

参考:三色そうめん

素麺は中国から伝わったとされる麺ですが、日本では平安時代に既に存在していました。
素麺の三大生産地は奈良県の三輪素麺、兵庫県の播磨素麺、香川県の小豆島素麺などです。
小麦粉を原材料とした乾麺で、茹でて冷水で冷やし食するのが一般的ですが、地域によっては熱い汁で食べたり具材を加えたりすることもあります。素麺はさっぱりとした味わいで保存食としても重宝されています。

トマト

由来はラテン語で学名「狼の桃」を意味するとされています。フランス語では「愛の林檎」、イタリア語では「大金の林檎」、日本では「唐柿」と呼ばれ17世紀頃に伝えられました。
トマトに含まれる「リコピン」は抗酸化作用が強く、生活習慣病の予防・美肌に効果があるといわれます。

枝豆

大豆を若いうちに収穫したのが枝豆です。夏にはビールと枝豆が定番ですが産地も品種も様々で、山形の「だだちゃ豆」、新潟の「黒崎茶豆」、京都の「丹波黒大豆」などブランド豆も人気があります。

西瓜(スイカ)

スイカの収穫時期は品種や地域によって異なりますが一般的には6月から9月にかけてです。赤や黄色の果肉が主で、暑い日には水分の補給に最適です。そのまま食べるだけでなく、サラダに加えたりジュースなどにしても美味しいです。世界中で栽培されていますが日本の栽培方法は手間をかけ、種まきから収穫まで3ヶ月ほど掛かります。

穴子

参考:穴子寿司

穴子は年間を通して流通していますが、6月から8月の夏が旬です。この時期は脂が少なく淡泊な味わいが特徴であり、梅雨に含まれた豊富な栄養を餌にさっぱりとした美味しさで「梅雨穴子」「夏穴子」と呼ばれています。冬の穴子は脂乗りが良いのですが、「穴子」は淡泊な味わいが好まれる魚なので、脂の少ない夏が旬とされています。

炎暑の京都の行事をご紹介します

茅の輪神事

京都市伏見区の御香宮神社では半年間の罪やけがれを祓い清める神事「夏越の大祓」が、6月30日の1ヶ月後の7月31日に月遅れで行われます。残り半年の健康を祈願しこの日、神社の鳥居に付けられた大きな茅野和をくぐり、無病息災を祈願します。この行事は夏越の神事として八坂神社・下賀茂神社など各地で行われています。

この時期おすすめのお料理

冷やし賀茂茄子

透き通るように仕上げた賀茂茄子の冷製料理です。出汁の旨味がじんわりと染み込み、あっさりとしながらも優しい茄子の甘みと瑞々しい口当たりが楽しめます。涼しげな器に盛ると、爽やかで少し贅沢な一品となります。ご家庭で美味しい暑気払いを演出してください。

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