京洛四季暦

二四節気「小暑」

小暑(しょうしょ)とは

太陽の照りが強く厳しい暑さになってまいりました。お中元承りもピークを迎える時期です。
7月7日から7月22日頃までの時期を24節気での「小暑」といいます。
本格的な暑さが到来する前の頃。雲間から注ぐ陽射しも日々強くなりこの日から暑中に入ります。
まだ多くの地方では、暑さより梅雨明けが待ち遠しい時期ですが7月中旬を過ぎると南から北に向け一気に夏が駆け上がります。

七夕

参考:七夕そうめん

旧暦7月15日の夜に先祖の霊が家に戻り寝食をともにし、再度天上に帰ってゆくという民間信仰が広く定着しました。その後、盂蘭盆会が広く行われ始め盆行事の準備をする日として7月7日に繰り上げられ、後に中国から伝承した織女と牽牛伝説が結び付き天の川の星祭の日「七夕」となりました。

お中元

参考:京の佃煮

古代中国の「道教」、罪滅ぼしの行事「三元」が由来といわれています。
「上元」は福を与える神(旧暦1月15日)、「中元」は罪を赦す神(旧暦7月15日)、「下元」は厄を祓う神(旧暦10月15日)とされています。この内「中元」が日本ではお盆に当たる仏教の「盂蘭盆会」と一体となりました。祖霊の冥福を祈り、親族が集まりお供え物を持ち寄る「盆礼」とが結び付き贈り物をする風習が生まれたのです。

お盆

お盆とはご先祖を供養する儀式で「盂蘭盆会」と言います。地域によりお盆を行う時期は分かれており、7月に迎えるお盆を「新盆(しんぼん)」、8月に迎えるお盆を「旧盆」と言います。13日から4日間、故人やご先祖様の魂が戻ってくるとされお供えをします。「五供(ごく)」と呼ばれるお供え物は、香・生花・ろうそく・浄水・仏飯(一汁三菜)が基本とされています。

季節の食材

蓮根

参考:煮蓮根

名の由来は実から種が抜け、その穴が蜂の巣に似ていることから「蜂巣」から「ハス」になったといわれています。食べられるのは蓮の根の部分で、丸く抜けた穴が「見通しがきく」と慶事には欠かせない食材です。花が過ぎ水面の葉が枯れてから収穫します。夏の蓮根は透明感がありシャキッと瑞々しく、冬になると乳白色で粘りがありホクホクとした食感に変わります。

鮑(あわび)

参考:あわびと雲丹の飯蒸し

肉厚な身は濃厚な旨味と独特の歯ごたえがあり、刺身・酒蒸し・貝煮・ステーキなど様々な料理に供されます。伊勢神宮の神事では薄くそいだ鮑を乾燥させ熨斗(のし)たものが奉納されます。進物に付けられる「熨斗」の起源でもあります

土用鰻

参考:うなぎ寿司

古代中国の陰陽五行説(木・火・金・水・土)に四季を割り当て、四季の終わり前の18日間を土用と定められました。鰻の旬は秋から冬で夏の鰻は痩せていて売れないため、知人の鰻屋に相談された江戸中期の学者(科学・本草学・劇作・医学)である平賀源内は「土用の丑の日に鰻を食べると夏負けしない」との宣伝文句を考案し夏の土用の鰻が全国に広まったとされます。

胡瓜

参考:うざく

原産地はインドのヒマラヤ山麓であり、シルクロードを経て中国から平安時代に日本に伝わりました。
中国では熟して黄色くなったものを食することから「胡瓜」「黄瓜」と書き、音読みしたのが「キュウリ」です。本来、和名では「きうり」でカロチン・ビタミンが豊富で夏が旬です。

小暑の京野菜をご紹介します

伏見唐辛子

参考:伏見唐辛子の山椒煮

江戸時代から京都の伏見地区で栽培されてきた甘唐辛子の一種で、京都の伝統野菜のひとつとして扱われています。皮が柔らかく辛みも少なく独特な風味と甘さががあります。

この時期おすすめの料理

冷やし湯葉豆乳茶碗蒸し

まろやかな豆乳をベースにした茶碗蒸し地に、湯葉や出汁ゼリーをトッピングしました。
見た目も夏らしい爽やかな茶碗蒸しです。冷蔵庫でよく冷やしてお召し上がりください。

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