京洛四季暦

二四節気「寒露」

寒露(かんろ)とは

先日までの陽気とうってかわり、朝夕の冷気が増し露も冷たくなる季節となってまいりました。
10月8日~10月23日頃までの時期を24節気での「寒露」といいます。
日中は空気が澄み渡り抜けるような青い晴天が多く見られるようになります。
また夜も徐々に長くなり冷え込みが厳しくなりますが、輝く奇麗な月をみることができます。

紅葉狩り

この季節になると行われる、美しい紅葉を鑑賞する雅な秋の遊び「紅葉狩り」。
平安時代から始まったとされ、かつては貴族の文化でしたが江戸時代には庶民の間に広がり、
お弁当やお酒を広げて秋の行楽を楽しむようになったと言われています。

秋冷の京都の行事をご紹介します

時代まつり

桓武天皇が平安京に遷都した延暦13年の日にちなみ、毎年10月22日に平安神宮で行われます。
明治28年に平安神宮が創建された時、奉納の一環として時代行列を行ったのが起こりとなっています。
明治から延暦年間までの歴史的人物に扮し、当時の文物風俗の衣装をまとって華やかな歴史絵巻を再現する様はまさに圧巻です。

季節の食材

さつま芋

参考:さつま芋のレモン煮

日本で栽培が始まったのは江戸時代と言われています。旬は10月から2月頃で、原産地は熱帯アメリカ。日本へは1600年頃、東南アジアから中国に伝わり鹿児島へ。当時、鹿児島県は「薩摩の国」と呼ばれていたのがその名の由来といわれています。さつま芋は皮に艶があり滑らかで量感のあるものが美味しいようです。

丹波栗

参考:栗金団

栗の産地は茨城県、熊本県など広く分布しています。その中でも希少なのが、昔の丹波の国(兵庫県、京都府)の一部で生産された「丹波栗」です。大粒でほっこりしていて甘みや香りがあります。
この「丹波栗」の特徴は昼夜の気温差、谷間の地形と風土に加え、丹波栗を守り続ける栗農家によって代々受け継がれてきた手間をかけた栽培方法にあります。丹波栗は京都ブランド産品として認定された最上級の栗です。

大海の旅を経て晩秋から初冬にかけ、産卵のために生まれた川を目指し遡上する鮭を「秋味」と言います。秋味の中でも川に上る前の鮭は脂がのり旨味が増します。一方、川に上った鮭は産卵を控えて痩せてきますが、イクラは貴重な季節の味覚です。熱いご飯に醤油漬けのイクラをのせた丼は絶品です。

喜知次(きんき)

旬は秋から冬頃。日本の生息地は北海道東部からオホーツク海周辺です。大正時代は肥料となる魚でしたが1970年頃から値が上がり今では高級魚となりました。見た目に、赤く美しく華やかであり脂のりも良いことから評判になりました。高値となった「きんき」は煮付けるとその旨味を発揮します。

林檎

林檎は世界中で1万5千種ほどあり日本でも二千種あるといわれます。日本人には甘くてジューシーな物が好まれます。栽培に仕方も農家により違いますが「サンふじ」「サン津軽」など名前の頭に「サン」が付いているのは、袋掛けせず日光に当てたもので糖度が高いのが特徴です。

柳葉魚(ししゃも)

干物として知られていますが、鮎に似た独特の風味があり新鮮なものは刺身でも食されています。10月下旬から12月上旬が産卵期で、この時期大きく膨らんだお腹の「子持ちシシャモ」の干物は人気の酒肴です。

この時期おすすめのお料理

栗ご飯

栗の甘みをより引き立てる、まろやかな出汁の味。
ホクホクと香ばしい秋の恵みを美味しくお楽しみいただけます。

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