京洛四季暦

24節気「啓蟄」

啓蟄(けいちつ)とは

3月に入り朝晩は冷え込むものの、日中の日差しは徐々に暖かくなってまいりました。
3月5日~3月19日頃までの時期を24節気での「啓蟄(けいちつ)」といいます。
冬の間、地中で冬を越していた虫たちが戸を啓(ひら)き這い出して姿を現し始める頃。
昆虫だけではなく土に潜む様々な生き物が目覚めはじめます。

季節の行事

お水取り

奈良県にある東大寺最大の法要がお水取りです。
修行僧が12本の松明を担ぎ石段を駆け上って二月堂の回廊で振り回し、籠松明の火の粉を浴びると災厄が祓われます。このとき汲まれた御香水を飲むと万病が治るといわれます。
水源は若狭の国(福井県)より流れる地下水が東大寺の若狭井戸に湧き出でるといわれ、13日午前2時に練行衆が若狭井戸に降りて本堂仏前に供える一年分の香水を汲みあげる厳かな行事です。

季節の食材

筍の旬は啓蟄の頃で、是非食べて頂きたい食材です。
筍ご飯をはじめ、焼き筍・若竹煮・筍の田楽など様々な調理法でお楽しみいただけます。
筍は竹冠に旬と書きますが、旬とは元来「十日間」を意味し筍が土から顔を出して僅か十日ほどで竹になるという「旬」の移り変わりを表しています。
その「筍」の生命力にあやかり美味しくいただきたい貴重な春の味覚です。

若布

春は生ワカメの季節です。採りたてのワカメは茶色ですが、春の新鮮なワカメは熱湯に入れると数秒ほどで鮮やかな緑色に変わります。
ワカメは一年で枯れ秋ごろに胞子から発芽し、また春から初夏に最盛期を迎えます。
日本各地で採れますが寒い海でよく育ち、食物繊維や抗酸化作用のある成分も多く、まさに海の恵みと言える海藻です。

鰆(さわら)

参考:鰆の西京焼き

瀬戸内海や九州・沖縄などで主に収穫される、産卵直前の春が旬の魚です。
冬の鰆は脂乗りがよく冷めても身が硬くならず、「柚庵焼き」や「西京焼き」などが好まれてます。
柚庵焼き(幽庵焼き)は江戸の茶人により考案され、半日ほど柚庵地に漬けた鰆の切り身は焼き上がると香ばしい醤油の香りが漂います。

甘鯛(ぐじ)

春先から初夏が旬で、特に福井県の若狭ぐじや明石海峡の明石鯛はエサに恵まれ、激しい潮流に揉まれて身が締まり高級魚として人気があります。
「甘鯛」と漢字にある通り淡泊な中にも甘みと程よい脂があり上品な味わいが最大の特徴です。
産卵を終えた秋の「紅葉鯛」も脂がのり美味しさを増します。
京都方面では「グジ」と呼ばれ料亭などで扱われています。

白魚

この時期旬を迎える白魚は主に北海道から九州までの河口で漁獲されます。
半透明の10cmほどの小魚で徳川家康が気に入り、以来260年間、徳川将軍家に納められてきました。
生のまま食べる「踊り食い」など甘みやほろ苦さに春の味覚を楽しめます。

季節のお料理

京都山城筍と鳴門若布の若竹煮

山海の幸の滋養あふれる春の大定番。
筍と春先の若布をあっさりと丁寧に煮立て、春の風味をたっぷりと感じられます。
出汁の染み込んだ蕗に木の芽を添えて、優しい甘みと出汁の深みが贅沢な出会いの一品です。

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