京洛四季暦

二四節気「秋分」

秋分(しゅうぶん)とは

昼夜の長さも逆転し夜が長くなる、本格的な秋を迎える時期になってきました。
9月23日から10月7日頃までの時期を24節気での「秋分」といいます。
春分の日と同じく太陽が真東から出て真西に入り、昼と夜の長さがほぼ同じくなります。秋分の日を中日とし前後3日間を合わせた7日間が秋のお彼岸です。「お彼岸」は仏教の言葉で先祖供養の日とされます。

秋のお彼岸

彼岸は春と秋の2回あり先祖を供養し農事の神様に感謝します。春分の日には牡丹の花に見立てた「ぼた餅」、秋は萩の花にちなんだ「お萩」。どちらも炊いた餅米を丸め小豆の餡で包んだものですが、秋分の日には豊作を祝い「お萩」を供え田の神様へ感謝を捧げます。次第に日が短くなり秋が深まっていきます。

季節の食材

真鰈

生息域は北海道南部から九州の大分県辺りです。鰈は目が片側に寄っており、昔は「かたわれ魚」と呼ばれていたことから、それが変化して「鰈」なったとも言われます。旬は夏ですが冬もまた美味しい魚です。淡泊で低カロリー、ビタミンも豊富で秋から冬の鰈は脂乗りがよく刺身に、冬から春は子持ちの鰈をふっくら煮付けにするのが美味です。

舞茸

かつては北国の山深い土地に自生する幻の茸(きのこ)と言われていました。現在は人工栽培が主流ですが、今も天然物は貴重です。歯切れがよく香り豊かな「舞茸」は鍋物や汁物、天ぷらなどで食します。

新米

新米とはその年に収穫されたお米のことで、お米の中でも特に香りや味が良く、日本人にとって秋の楽しみの一つです。新米は、収穫した年の12月31日までに精米され包装されたものだけが新米と呼べます。新米は地域や品種によって収穫時期が異なりますが、一般的には7月から10月にかけて収穫されます。新米は精米すると酸化が進み鮮度が落ちるため、早めに食べることがおすすめです。新米は日本の食文化を代表するお米です。

参考:鯖寿司

日本で漁獲される主な鯖はマサバとゴマサバで、秋から冬に旬を迎えるのは「真鯖」です。北の海から産卵のため太平洋を列島に沿って南下し、この時期の「秋鯖」は丸く太って脂のりがよく、冬の荒い海流がぶつかり合う九州あたりの鯖は身が締まってプリプリとして、煮ても焼いても美味しいです。近頃は石巻の「金華鯖」、銚子沖の「松輪鯖」、佐賀県沖の「関鯖」などのブランド鯖が人気を集めています。

里芋

東南アジアの「タロイモ」が起源と言われる里芋。日本には稲作より古く縄文時代後期に渡来したといわれています。日本の食文化への関わりは深く、一つの親芋から子芋、孫芋と沢山の芋が連なることから子孫繁栄の縁起物とされています。名の由来は山に自生する「山芋」に対し里で栽培されることから「里芋」と名付けられました。

松茸

卑弥呼の時代より食されてきた「松茸」はアカマツ林の大地の下でじっくり豊潤な味と香りを蓄え、色づいた落ち葉の中から顔を出します。上質な松茸を掘りあげるのは丹精込めて育てた名人の技にあります。ずんぐりとした軸、傘はつぼんだ茶褐色で裏のひだが白いものが美味とされます。掘りたてを焼き松茸に、土瓶蒸しや松茸ご飯、松茸の香しさは贅沢にも希少な秋の味覚です。

河豚 (ふぐ)

下関の南風泊(はえどまり)港、毎年9月26日に行われる「ふぐの初せり」は秋の風物詩です。天然物の旬は11月から2月、産卵前の冬が美味しいといわれます。淡泊にして旨味がギュッと詰まった味わいは格別です。ふぐ刺し・ふぐちり・焼きふぐ・唐揚げ・白子など、手間暇かけた料理で秋の味覚をお楽しみください。

柿は日本原産で奈良時代から販売されていたといわれており、健康へ結びつく役割が多くあります。品種の交配により多くの品種が生まれ派手さはありませんが世界に誇る日本の果物です。昔の人の知恵から渋の成分は防水・防腐などの塗料として、又、ビタミンA・C・食物繊維も豊富で漢方のような役割も担っています。

この時期おすすめのお料理

松茸の茶わん蒸し

秋の味覚の王様である松茸を使った、シンプルな玉子地と出汁が絶妙な取り合わせの茶碗蒸しです。
滑らかな卵の舌触りと松茸の上品な香りが楽しめ、お客様へのおもてなしにも喜ばれる一品です。

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