京洛四季暦

節分とは

節分 冬の陰気を払い新しい年(旧暦のお正月)を迎える行事

二十四節気の一つ、立春の前日が節分です。
これは中国の宮中行事である追儺(ついな)が起源とされ日本には平安時代に疫病や悪鬼を払う行事として定着しました。元々「節分」は年4回の季節の変わり目(立春・立夏・立秋・立冬)にありましたが季節を分けるという意味から、一年の初めに近い立春前日の「節分」のみが残されました。
奈良時代初め、諸国に奇病が蔓延し、その弔いとして鬼やらい(悪鬼・疫病を払う)をしたのが始まりとされています。
そもそも豆を投げるのは鬼を追い払うためではなく、神仏に対する供物の意味でした。
それが各地の神社仏閣で炒った大豆をまき、鬼に扮した人に投げつけ追い払う行事となりました。

炒った大豆で鬼退治をします。大豆で鬼の目を打つことから「魔目」とも言われています。

鬼は鰯の臭いが大の苦手とのいわれから、鬼を払う意味として節分の夜に鰯を食べます。

やいかがし

「焼き嗅がし」の意味で焼いた鰯の頭を柊(ヒイラギ)の枝に刺し家の門や軒下に吊るす風習があります。トゲのあるヒイラギで鬼の目を刺し鰯の臭いで鬼を追い払う魔除けのおまじないです。

京都ならではの節分祭

四方参り(よもまいり)

節分の時には、京都の各地でも「節分祭」が催されますが、中でも邪気払いをし福を呼び込むため
鬼門に位置する四つの神社を巡る「四方参り」という風習があります。
悪鬼には流れる方向があるため回る順番がきまっています。始めに御所の表鬼門を守る吉田神社(北東)の方角に悪鬼が現れるとされ八坂神社(南東)、裏鬼門の壬生寺(南西)、北野天満宮(北西)と逃げ回ります。表門から入った悪鬼は北野天満宮の末社・福部社に閉じ込められるそうです。
各地神社でもそれぞれ盛大な節分行事が行われます。

行事のお料理

恵方巻き

恵方巻きを丸かぶりする時に向く方角、恵方(吉とされる方角)は陰陽道の考え方に基づいています。
その年の歳徳神がいる方角が恵方とされており、一年ごとに変わります。
食べ終わるまで何もしゃべらないのが決まりです。

恵方巻きの具材

恵方巻きの具材は7種類入れるとよいとされていますが、 この「7」という数字は縁起のいい七福神に由来しているといわれています。
七福神とは、大黒天・毘沙門天・恵比寿天・寿老人・弁財天・福禄寿・布袋の福をもたらす七つの神様の総称です。

かんぴょう
お寿司の巻物に欠かせないかんぴょうは、細く長い形から「長生きできるように」という願いが込められています。

椎茸煮
椎茸は古来より神様のお供え物とされていました。
また、傘の形が陣笠に似ているため身を守ってくれるという意味があります。

伊達巻
伊達巻や卵焼きは、その黄色い色から財の豊かさ、金運のげん担ぎとして使われます。

鰻(穴子)
鰻は古くから縁起のいい食べ物で「うなぎのぼり」という言葉からも分るように出世や上昇などの意味があります。また、鰻の長い姿が長寿を表しているともいわれています。

桜でんぶ
鯛などの白味魚をほぐし、鮮やかなピンク色に仕上げてある桜でんぶ。
鯛は「めでたい」という言葉がかかった縁起物であり、ピンク色が華やかさを演出してくれます。

海老
海老は紅白の色と目玉が飛び出ていることから「めでたし」という語呂合わせに使われる縁起食材です。また曲がった腰と長いひげを持つため、健康長寿の象徴とされています。

きゅうり
きゅうりは縁起物なの?と疑問に思われる方もいるかもしれません。
きゅうりはその名前から「9つの利」をもたらしてくれるといわれています。




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