京洛四季暦

「暑気払いの味」をご紹介

京の夏の食卓を彩る暑気払いの味

東の比叡山、西の愛宕山、北の北山と、三方を山に囲まれた京都。むしむしと暑い京都盆地で夏の日々を過ごすと食も細りがちになります。そんな時、京都の人々は夏を健やかに過ごすために「暑気払い」の食を大切にしてきました。
暑気払いには、夏を過ごすうちに体に溜まってしまった熱気を打ち払うという意味があります。今回はその暑気払いの中でも、夏を美味しく健やかに過ごしていただくための、京都や京料理の美濃吉らしい食材・京都の知恵の詰まったお料理を数多くご紹介します。

伝統に裏打ちされた、夏の体に嬉しい食材

画像:うなぎイメージ

食が細りがちな夏には蕎麦やそうめん、すり流し、冷やした茶碗蒸しといった、冷たく喉越しが良いものが恋しくなります。これも大切な暑気払いの料理。

一方で、京都では古くから夏を健やかに過ごす食材として、滋味滋養(深い旨みや豊富な栄養)のあるもの、体を冷やさない食べ物も暑気払いによい食材とされてきました。
例えば京都の朝粥とそこに加える、生姜を利かせた鼈甲餡(べっこうあん)などはその代表。他にもうなぎやすっぽんは、京都はもとより全国的に夏のスタミナ食として人気があります。

冷たいものは、食べやすく熱った体を心地よく冷やしてくれ、口当たりの良いものは弱った胃腸でも食べやすい体想いの食材です。
一方で食欲を刺激してくれる生姜や茗荷・ネギ・山椒などの薬味は、古くから養生訓(江戸時代の健康長寿の指南書)でも語られる、冷たいもので弱った胃腸や体に溜まった冷えをやわらげて体調を整えてくれる食材。うなぎやすっぽんなどは、夏の暑さで疲れた体が必要としている栄養を補ってくれる食材や料理とされています。

大切なのはどちらかに偏らない、バランスの良い料理を選ぶこと。
美濃吉では、季節に応じた京都の食文化の中に組み込まれている伝統を受け継ぎつつ、食べやすく美味しく、体に優しい夏のお惣菜作りを心がけています。

美濃吉のルーツを感じる栄養に満ちた夏のお料理

京料理 美濃吉の原点である料理屋は、江戸時代に京都所司代から認可された「川魚生洲八軒」と呼ばれる川魚料理店のうちの一軒。以来300年以上にわたり、栄養豊富な川の恵みを生かした料理を提供し続けています。その脈々と続く川魚料理の中から、夏の暑気払いに最適なうなぎとすっぽんのお料理をご紹介いたします。

すっぽんスープの煮凝り

画像:すっぽんスープの煮凝りイメージ

冬には鍋としても活躍するすっぽんを、清涼感あるゼリー仕立てにしたのがこの一品。
すっぽんが豊富に持つコラーゲンによって、ふるふると心地よい食感の煮凝りとなっています。滋味深い味わいに生姜のアクセントを加え、すっきりと召し上がりやすく、またしっかりと栄養をとっていただけるお料理としました。
前菜にあっさりとしつつも栄養が取れる一品があると、それに続くお料理を楽しむ食欲も自然と湧いてきます。

涼味うざく

画像:涼味うざくイメージ

脂の乗ったうなぎを香ばしく、またふんわりと焼き上げ、そこに胡瓜や茗荷、わかめと合わせました。うなぎの濃厚な脂とコクを感じつつも、薬味や夏の野菜、そして出汁の効いた土佐酢が後味が重たくなりすぎないよう、さっぱりと爽やかなものにしてくれます。土佐酢をジュレ状にすることで食材と絡みやすく、またお持ち帰り時にも汁漏れすることがないよう工夫しています。

うまき

画像:うまきイメージ

うなぎと相性が良い食材の代表といえば玉子。玉子も江戸時代には精をつける食材の代表格でした。こだわりが詰まった出汁をたっぷりと使用しただし巻き玉子で、国産のうなぎを包んだうまきは、ふんわりとした玉子・香り豊かな出汁、そしてうなぎの力強い旨みが重なり合う美濃吉が誇る夏の人気料理です。

京都の料理屋としての美濃吉の進化を見る品ある夏のお料理

長い歴史の中で美濃吉は、洗練された食文化を持つ京都の街で味を磨いてきました。
暑気払いのお料理の中にも、香り豊かな旨味で食欲を誘う出汁や夏にふさわしい冷涼な季節感、そして伝統文化を映したものがいくつもございます。

たこあられ揚げ

画像:たこあられ揚げイメージ

七十二節気のうち、7月2日から七夕の7月7日までを表す半夏生。京都を含めた近畿では、この時期に8本の足を持つたこのように、稲が根を張るようにとの願いを込めてたこを食べる風習があります。たこにはまた、夏の体を労るタウリンなどの栄養が豊富。その夏のたこを、柔らかな食感を残すために薄切りにし、そこに香ばしさと軽やかな食感を与えるあられをまぶして揚げました。

冷やし湯葉豆乳茶碗蒸し

画像:冷やし湯葉豆乳茶わん蒸しイメージ

夏の日の前菜として、出汁の香りとともに冷たくさっぱりと召し上がっていただきたいのがこの豆乳茶わん蒸し。豆乳を使った冷製茶わん蒸しはデザートのようにまろやかな口当たりと喉ごしが魅力。上に添えた湯葉や出汁ゼリーのそれぞれ異なる食感が、口に入れるたびに新鮮なアクセントとなって暑い夏でも食べる楽しさを呼び起こしてくれます。

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