季節の室礼

3月 雛祭り

流し雛は春のおとずれ ~弥生~

三月三日は雛祭り。雛人形を飾り、桃の花、菱餅、白酒などを用意して女子の健やかな成長を願う華やかな祭りの日です。
三月はじめの巳の日(上巳)に川に入って身体の穢れを清め、酒を飲み災厄を祓う風習は奈良時代に中国より伝来され、日本では身代わりの人形(ヒトガタ)に穢れや災いを移して海や川に流すという形となりました。
貝の船に座る「ひいな」は大内雛。あられは川の流れを表します。この日欠かせない桃の花は古くから邪気を祓い、百鬼を制す霊力があると伝えられています。
赤い菱形の毛氈で子供たちのさらなる成長を願います。

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山本 三千子(やまもと みちこ)

新潟県十日町市生まれ 「室礼三千(しつらいさんぜん)」主宰 南宗瓶華四世、故・田川松雨氏に師事し室礼を学び、室礼三千を設立。 数々のカルチャースクールで講師を務める他、雑誌、新聞、テレビなどで幅広く活躍。

室礼三千