京洛四季暦

二四節気「清明」

清明(せいめい)とは

まだまだ朝夕の寒暖差はありますが4月に入りいよいよ春本番。
春らしく穏やかな気候に心和む季節になってまいりました。
4月4日から4月18日頃までの時期を24節気での「清明」といいます。
清明とは、全てのものが清らかで、いきいきと在る様である「清浄明潔」を略したものです。
爽やかな風や心地の良い陽気を感じられる美しい季節です。

花まつり(灌仏会)

4月8日はお釈迦様の誕生日で「灌仏会」(かんぶつえ)と言います。
その日、空から甘露の雨が降ったという伝えがあり、咲きほこる草花で花見堂を造り、そこに誕生仏を祀り甘茶の湯を注ぎ祝いました。それがやがて「花祭り」と呼ばれるようになり現代に受け継がれています。

季節の食材

暖かい陽気が続き、思う存分輝く春を堪能できる時期です。
三つ葉・せり・蕗・新じゃが芋・新玉葱などたくさんの瑞々しい食材が出回ります。
旬の山菜や春野菜に含まれる苦みは、滋養に満ちたものが多く毎日の食卓で味わいたいものです。

初かつお

「かつお」は黒潮の流れに沿って春先に北上し秋に南下する回遊魚です。
旬は年2回あり、春に漁獲されるものを「初かつお」、秋に獲れるものを「戻りかつお」と呼びます。
鰹は身が柔らかく鮮度が落ちやすいため、多くは乾燥させ硬くしたものを食材とし「堅魚」(かたうお)と呼ばれたのが後に「かつお」と変化していきました。現在は皮付きのまま火であぶり冷水で冷やし食する「鰹のたたき」が人気で、伊豆方面では春の風物詩ともなっています。

栄螺(さざえ)

さざえの語源は数多くありますが「小さい家」という意味が有力です。
古来より鮑と共に宮廷や伊勢神宮などに捧げられました。蓋がなかなか開かないことから頑固者の形容詞としても使われたようです。

新じゃがいも

参考:肉じゃが

春に出回る「新じゃが」とは早採りした掘りたてのジャガイモのことをいいます。
春のものは小ぶりで皮が薄く瑞々しくてシャキシャキとした歯触りが特徴です。
収穫は温暖な長崎・鹿児島などから始まり北上するので、秋には北海道の新じゃがが味わえます。

春キャベツ

キャベツは1年を通して出荷されますが収穫時期の違いで分けられます。
中でも「春キャベツ」は葉がふっくらと巻いて水分が多く柔らかいのが特徴で、そのままサラダや添え物として使われます。冬キャベツは加熱することで甘みを増すので、ロールキャベツなどの料理に使われます。

葉山椒

参考:鯛の山椒焼き茶漬け

山椒は多くの部位を食することができます。三月頃に芽吹く若い芽を「木の芽」と呼び、味噌に混ぜて「木の芽味噌」に筍やイカと和えて「木の芽和え」に、また春に咲く花や青い実は佃煮などに、完熟した実は粉末にして鰻や焼き鳥など、薬味としても使われます。

みつば

野草として食していた三つ葉を栽培し始めたのは江戸時代です。
根三つ葉は春に種を蒔き葉が枯れると土をかぶせ翌年の春に根付きで収穫します。
現在は水耕栽培などで通年で回る種類もあります。日本原産で香りもよく和食に多く使われる食材です。

陽春の京都の行事をご紹介します

やすらい祭り

4月の第2日曜日に京都市北区の今宮神社で行われる「やすらい祭り」。
平安時代、桜の花が散るころ疫病が流行り原因は春の花の精に誘われた疫神の仕業と考えられました。
その霊を慰め、無病息災を祈願したのが始まりです。
「花鎮めの祭」とも呼ばれ、疫病の根源を桜や椿で飾った花傘に集め疫社に封じ込めます。
この傘の中に入ると一年間無病息災で過ごすことができるといわれ
現在でも参拝者は花傘の下に入って厄除けを願います。

十三詣り

4月13日に京都市西京区法輪寺で行われる、知恵を司どる虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の縁日で、公家の成人式が起原といわれています。
13歳になった男女が詣で健やかな成長を祈り、知恵や福徳を授かります。本堂で祈祷を受け、帰りに渡月橋を渡る際、振り返ると授かった知恵が取り消されるといわれ子供たちはまっすぐ前を向いて橋を渡ります。

この時期おすすめのお料理

京都山城筍の木の芽和え

筍に香気高い木の芽味噌を絡めて、春ならではのみずみずしい色合いに仕上げました。
イカの甘み、シャッキっとした食感の蕗と一緒に季節の香りと味わいを存分にお楽しみいただけます。

この他にも、4月の下旬からは、柔らかくホクホクした食感が特徴の新じゃがと
相性抜群の鶏そぼろをほっこり煮込んだ「新じゃがのそぼろ煮」をご用意しております。

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