9月の旬食材 香り高き秋の訪れ 松茸

香り豊かな秋の王様、松茸をご紹介
秋を代表する食材の王様といえば、やはり松茸。
美濃吉の料理人も、秋が近づくと「今年の松茸の出来はどうだろう」「どんな料理でお客様にお届けしよう」と、板場に松茸が到着する日を今か今かと、心待ちにしながら思いを巡らせます。今回は美濃吉の松茸への想いとともに、京料理の技法を凝らしたお料理をご紹介してまいります。
香りを食す松茸は鮮度が命

松茸の魅力はなんと言っても、山の精気を詰めたような、野趣とともに品格を備えたあの香り。この香りを余すことなくお料理の中に生かしていくためには、鮮度にこだわる必要があります。美濃吉では国産の松茸、特に岩手や長野のものを厳選しており、特に岩手へは毎年生産者の元へと直接出向いて買い付けを行っています。
松茸の醍醐味でもあるあの香りは収穫後、徐々に薄くなっていきますので、板場に届くまでの時間が松茸の風味を決める大きな要素となってきます。
一方で美濃吉へは産地の山に生えていた松茸が、遅くとも収穫の翌日には届きます。
高い鮮度を保った松茸の香りはまさに別格。手元に届いたばかりの包みを開くだけでも、辺りに芳しい香りが広がるほどです。
美濃吉の料理人たちは、この届いたばかりの松茸を一本一本大切に吸水紙に包んで保管し、山と同じ湿度・温度を保った状態で調理の瞬間まで保存していきます。こうすることで、あの松茸の豊かで深い香りを、充分に皆様にお届けすることができるのです。
※天候・時期により産地が異なる場合がございます。
旬の中でも松茸の魅力は変わる

松茸には、傘を閉じた可愛らしいサイズのものや、大きく傘を開いたものまでさまざまな形があります。美濃吉では、出始めの傘を閉じた小ぶりなものを「コロ」、傘が開きかけた中ぶりのものを「中つぼ」、傘が開き切ったものを「開き」と呼んでいます。
コロは、成長途中の松茸で、他の姿のものと比べると香りは淡いのですが、その分、なんとも絶妙な柔らかさと心地よい食感を誇っています。中つぼは、傘の内側に香りをいっぱいに蓄えており、軸の食感も見事な、バランスの良さが魅力。
一方で開きは、他の形と比べて非常に強く豊かな香りが特徴。この香りは時間が経つほどに弱くなっていきますので、調理は時間との勝負となります。
また、松茸は調理する際にも細心の注意が必要。
調理前の水洗いは香りが水に流れてしまうため、調理の際も包丁はできる限り使用しないようにします。松茸をはじめとする茸は、包丁で切るとすぐに金属臭が移ってしまうため、料理人は包丁で松茸の軸へほんのわずかに切れ目を入れた後、丁寧に手で割くことで食感や香りを引き出していくのです。
松茸一つひとつを見極め、収穫時期や産地、形に見合った最適な調理方法を決めることで、素材の持ち味を引き出していくことが料理人としての務め。
ぜひ、美濃吉の秋のお料理をお求めの際は、蓋を開けた瞬間に立ち上る松茸の香りをお楽しみください。
美濃吉が自信を持っておすすめする松茸を使ったお料理
美濃吉の松茸料理の中でも定番であり、また人気の高い3品をご紹介いたします
このほかにも、松茸を用いたお惣菜やお弁当が登場いたしますので、ぜひ店頭で皆様のお好みに合わせた秋の味覚をお探しください。
松茸ご飯


美濃吉の松茸ご飯のこだわりは、「主役を引き立てること」。出汁はあえて控えめにし、松茸本来の香りを十二分に生かすよう配慮しています。
さらにこの時期ならではの新米と松茸を合わせることで、みずみずしくモチモチとした食感の新米に松茸の香りを移しています。新米のほのかな甘さと松茸の香り、出汁のコクが一体となった風味が口いっぱいに広がり、鼻に抜けていく香りがなんとも贅沢な心持ちにさせてくれる一品です。
松茸茶わん蒸し

一年を通して高い人気を誇る茶碗蒸しですが、松茸を使ったものはやはり別格。
フルフルとした茶碗蒸しが舌の上で優しくとろけ、その瞬間に出汁と卵の旨みと共に、松茸の香りが大きく花咲きます。具材は鶏肉やかまぼことオーソドックスなものを使い、どこまでも松茸の香りと食感を引き出すように配慮しています。
松茸の土瓶蒸し

松茸の風味を、京料理らしい上品な出汁の香りと合わせて感じていただけるのがこの土瓶蒸し。昆布と鰹で丁寧に引いた、吸い物にも使用される出汁に松茸と名残の鱧を泳がせ、そこに壬生菜を添えました。出汁に溶け出た鱧の滋味深い旨みと、芳醇な松茸の香気の競演。出汁を楽しんだ後には、松茸や壬生菜のシャキシャキとした口当たりと、口でほどける鱧の食感をお楽しみください。土瓶蒸しの旨みにシャープなアクセントを加えてくれるスダチと合わせてお届けいたします。
※こちらのページの内容は2026年9月時点のものです